旅に魅せられて

旅をした一コマを文章と写真で紹介します。

夜の「イングランド最古のパブ」で歴史に浸る: ノッティンガム、イギリス

ホテルの名前でよく見かけるInn (イン) という名称は、古くは中世に遡る。食事を提供したり、旅人の馬を休ませたりする宿泊施設の名称だった。
いわゆる、ホリデー・インとか東横インなどで使われているあの「イン」だ。
イングランドでは古くからある言葉らしい。
 
その最古のインとされているのが、

Ye Olde Trip to Jerusalemーオールド・トリップ・トゥ・エルサレム

イギリス中部の街、ノッティンガムにある。

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看板には1189年と記載されている(写真上)
今は、宿泊施設としてではなく、パブ (大衆酒場) として営業している。
現代のパブには宿泊機能はないが、この宿泊ができるパブとしてのインは既に中世にはあったらしい。
ちなみに、今回紹介するパブであるオールド・トリップ・トゥ・エルサレムは、18世紀までは、プリグリムというインだったそうだ。
 
オールド・トリップ・トゥ・エルサレムの歴史は1189年まで遡るそうで、時期的には、1190年夏にリチャード獅子心王が出征した第三次十字軍の頃だ。パブの名称も、十字軍遠征の時期と同じ起源を持つため、エルサレムの名を冠した名称になったのだろう。
 

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ノッティンガム城のまさに真下にあるパブ(写真上)
ところで、ノッティンガムは、キャッスルロックという岩山の上に立つ。このパブは、その崖の麓に位置し、建物の貯蔵施設などの古い部分なんかは、岩の中に掘られるように建てられているため、興味深い。
 
ここを訪れるのは、やはりがオススメだ。パブのある界隈は、古い建物もあり、夜はひっそりとしていて、何か雰囲気があってよい。
 

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この界隈の夜の雰囲気が好きだ(写真上)

 

さて、歴史的な予備知識を少し持ってパブの中に入ってみる。先ずは建物内部を探索だ。なるほど、中に入ると、とても歴史を感じさせてくれるし、奥まった場所なんかは、洞窟の中にいるようだ。岩を削って作られたのか、岩盤が見えるような所や、吹き抜けの天井が見える場所を見ると、城まで繋がっているんじゃないかと思ってしまう。とにかく、ユニークな建物だ。
 

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パブの店内に入ってみる(写真上)

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パブ店内を歩いてみよう。面白い造りになっている(写真上)

 探索を済ましたら、ビールで一杯。パブで提供されるブリティッシュ・フードを食すのもいい夜の思い出になるだろう。もしかしたら、十字軍に参加したであろう諸侯や騎士が、エルサレムへの旅路の途中で、立ち寄ったかもしれない、そんな歴史のロマンを感じながら。

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夜のパブの雰囲気は、より一層歴史の重みも感じられるだろう(写真上)

 

Photo and Writing by Hasegawa, Koichi