旅に魅せられて

旅をした一コマを文章と写真で紹介します。

過去の建物を美術館として再生する例:オルセー美術館、パリ、フランス

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オルセー美術館内部の大時計(写真上)駅舎の名残を感じる。
パリのオルセー美術館は19世紀美術の殿堂である。19世紀に作られたオルセー駅の駅舎をそのまま美術館に改装して1986年にオープンした。
 
それにしても、19世紀美術を展示する美術館を当時の駅舎跡を使用するとは、なんて粋なんだろう。美術館の建物自体が、フランスの誇る19世紀美術の展示空間を守っているかのようだ。
 
オルセー美術館に入ると、ここはかつて駅であったと気づくと思う。長方形の建物は、明らかに駅ホームを連想させるし、大きな時計もまたヨーロッパのターミナル駅にある駅の時計そのままだ。
 

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美術館内部 (写真上) 駅のホームの名残を感じる。現在はフランス絵画の傑作群が。

この美術館は、19世紀初頭のミレーやコローといったバルビゾン派クールベのあたりの時代から、後期印象派、20世紀初頭のものまでが扱う範囲となっている。

ちなみに、他のパリの3大美術館であるルーブル美術館は古代から19世紀初頭のドラクロワやアングルまでのあたりをカバーし、ポンピドゥーセンターは20世紀から現代を扱う。パリの美術館散歩は、まずこの3つの美術館からがいいだろう。それぞれが見応えのある美術館だ。

 

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セーヌ川対岸からオルセー美術館を臨む(写真上)
かつてのオルセー駅は、現在のフランス国鉄の全身の6つの鉄道会社の一つであったパリ・オルレアン鉄道ターミナル駅であった。この鉄道は、パリから南部にあるオルレアンジャンヌ・ダルクで有名な街)を結び、そこから南西部に鉄道網を持っていた。

もともとは少し離れたオステルリッツ駅から出ていたため、街中に近い場所にターミナルを持つ案が19世紀に浮上する。駅舎の着工は1898年、1900年に運用が開始された。
オルセー駅とオステルリッツ駅間は地下を走るため、蒸気機関車ではなく、電車が走ったそうだ。
ちなみに現在も郊外電車のホームとしてオルセー美術館地下にホームがある。

その後、段々と長距離列車の使用がなくなり、近距離線の使用に定着。第二次大戦ではドイツ軍に使われたり、大戦後も様々な用途に使われ、建て壊し案も出るが、美術館として蘇ることになった。
 
オルセー美術館を訪れたら、印象派を中心とする名画の数々を心ゆくまで堪能したい。また、世界をリードする質の高い毎回の展覧会も必見だ。
 

Photo and Writing by Hasegawa, Koichi

 

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