旅に魅せられて

旅をした一コマを文章と写真で紹介します。

ヴェネツィアの夜を歩く:ヴェネツィア、イタリア

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夜のサン・マルコ広場(写真上)霧がかかって幻想的だ。

ヴェネツィアの一日には多彩な美しさがある。

 
朝靄の中に浮かび上がる幻想的な街並み、昼間の太陽に照らされた青い水面の美しさ、そして、夕焼けに照らされ黄金に輝く街並み。
 
どの時間帯にも多様な美しさがあり、まさにアドリア海の女王」にふさわしい。大学院でヴェネツィア美術を専門にしたが、この街を訪れるとヴェネツィアルネサンス色彩に特化した理由がわかる気がする。
 

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昼間にサン・ジョルジュ・マッジョーレ聖堂を臨む(写真上)
だが、昼間の色彩が消える夜のヴェネツィアもまた格別だ。この街は、夜もまた幻想的な空間に我々を誘う。

 

ところで、ヴェネツィア本島には自動車が入れない。よって移動は全て船やゴンドラになるわけだが、これが意味するところは、他の街にはない静寂を作り出すということだ。私はこの街の夜の静けさが大好きだ。

 

夜の静かなヴェネツィアの街を歩いていると、さながら中世に来たかのような感覚になる。聞こえるのは、波の音、ゴンドラを漕ぐ音、道を行く人の足音ぐらいだ。
 

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サン・マルコ広場の夜(写真上)
ある冬の夜、ホテルからサン・マルコ広場へ行ってみた。その日は、夕暮れ時からが広場を覆っていた。霧の中のサン・マルコ広場は、何とも幻想的で、霧の湿気が歴史の重みと共に漂っているようで、演出的には最高だ。
 
このサン・マルコ広場の計算されたデザイン効果は、あたかも劇場の中に立っているかのような感覚を人に起こさせる。建物から溢れ出る光も、この劇場に視覚効果を与えていて、とても美しい。

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サン・マルコ広場(写真上)
広場にやって来た時分から、やがて夜もふけてくると、昼間の観光客もだいぶ引き、近くのホテルに滞在している観光客や地元の人がパラパラと歩いているだけになってくる。

ドゥカーレ宮殿サン・マルコ寺院などの建物もいたずらに派手なライトアップはされておらず、ひっそりと夜のしじまにひそんでいる。
ここからの時間が歴史の重みをさらに感じられて、いい感じだ。
 

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夜のサン・マルコ寺院(写真上)
サン・マルコ広場は、海に近いため、波の音を聞きに行く。
すると、ゴンドラを漕ぐゴンドリエーレ達が、後片付けをしている。海に目をやると、ヴァポレット(水上バス)が家路につく人やホテルに帰る観光客を乗せて通り過ぎて行く。
ヴェネツィアの夜もこうして更けていくのだなと波の音に耳を傾けながら夜景を眺める。
 

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サン・マルコのゴンドラ乗り場(写真上)
ヴェネツィアに行く機会があれば、是非本島内に滞在するのをオススメする。夜もふけてきた頃合いに、ホテルから散歩に出る経験は、静かな夜のヴェネツィアに浸れる事間違いない。夜のヴェネツィアは、昼間の美しさとは違う風情が漂う。

 

Photo and Writing by Hasegawa, Koichi